FRBがインフレと戦う中、不況の懸念が市場を揺るがす。
連邦準備制度理事会(FRB)の最新の利上げを受け、祝日で短縮される今週も市場は緊張を強いられると予想されます。月曜日はジューンティーンス でウォール街が休場となります。
先週、S&P500は月曜日に弱気相場に陥った後、2020年3月以降で最悪の週間パフォーマンスを記録し、5.8%下落しました。
米中央銀行は2日、0.75%の利上げを行い、過去約30年で最大の引き上げ幅となった。パウエルFRB議長も、インフレとの戦いを強化するため、今後より積極的な引き締めを行うことを示唆した。
ウォール街では、この動きにより景気後退を求める声が相次ぎ、市場は混乱に陥った。
このような状況下、「インフレはFRBの注目の的であり、非常に真剣に受け止めている」というのが、投資家にとっての主な収穫である。金利上昇は全ての条件が同じでリスク資産に悪いという事実にもかかわらず、インフレをコントロールすることがより重要であり、非常に短い予告で0.5%から0.75%への急速な変更は、過去1度しか0.5%の利上げを経験したことがない事から、今回の利上げはとても異例なことである。また、今後も来年始めにかけて利上げを行うことから株価下落はまだまだ続きそうです。
FRBの前例のない行動は、物価水準の正常化に対するコミットメントを改めて示したが、投資家やエコノミストは、そのインフレ対策が景気を後退させる危険性も高まったと懸念している。
バンク・オブ・アメリカのアナリストは、「FRBに関する我々の最悪の懸念は確認され、彼らはカーブに大きく遅れ、今、キャッチアップの危険なゲームをしている。同社はGDP成長率予測をほぼゼロに引き下げ、来年は40%の確率でリセッションに陥ると見ている。
「2021年の春、我々は米国経済にとって最大のリスクは好不況のシナリオであると主張した」と同行のリサーチチームは指摘した。時が経つにつれ、好不況シナリオが我々の基本予測になった。
一方、JPモルガンのアナリストは、S&P500の下落は85%の確率で景気後退を意味すると警告した。
さらにパウエル氏は、連邦準備制度理事会がインフレを抑制し、目標値である2%に戻すことに注力していると述べた。
FRB議長は、市場参加者が「ソフトランディング」の見通しから自信を失う中でも、米国経済が景気後退を回避できることに固執している。
パウエル議長は「我々は今不況を引き起こそうとしているわけではない」との発言をしている。しかし、先週から原油価格の急落からインフレはピークを迎えたとの観測をされている。つまり、リセッションに陥るのも時間の問題であると考えられる。
まとめると、パウエル議長は今後も積極的な利上げを続けていき、ソフトランディングを目標に株式市場の株価の動向に注目しながら利上げの方向転換でハト派の発言がされる可能性もあると思われる。その為、日頃の動向には注目する必要がある。